2011/06/29

逗子の家

一昨日の葉山出張の帰りに逗子の家にも少し伺ってプランタゴ・田瀬さんの手掛けた植栽を見てきました。


右の玄関横には葉山の家と同じくセンダン。自転車置場の左はヤダケ。ヤダケは弓矢に使われる竹である。田瀬さんが敷地周辺の植生を調査してヤダケを発見して採用に至ったとのこと。ヤダケは釣竿にも使われることもあり、実に逗子らしさを感じさせる。一番左は南庭にもともとあったガクアジサイを移植している。


南庭はウメの古木のまわりに、濡れ縁に延長する感じでフトンカゴのアースワーク。アゼターフが敷かれている。


小さな水鉢が埋め込まれ、メダカが泳いでいる。


濡れ縁の浴室で入口横にはヤマボウシ、その奥にカツラが植えられた。今後の成長が楽しみである。

2011/06/28

葉山の家


昨日は葉山に出張。1年ぶりに葉山の家を訪れた。
センダンの木には涼しげな葉が生い茂り、緑のカーテンも豊かになっていた。


緑のカーテンが豊かになり、北側隣家からの視線は気にならなくなった。
ベランダの木製フレームには西日対策で簾が取り付けられた。

2011/06/25

葉山の家


階段横の引戸を開けると急勾配のハシゴが現れる。これを登っていくと屋根の上の物見台に出られる。この物見台はクライアントのご希望。もちろん吉村順三の名作軽井沢の山荘の物見台の影響であることはいうまでもないであろう。


ハッチを持ち上げているのは施工を担当した安池建設工業の小林くん。
逗子の家と葉山の家の2件とも現場監督としてしっかり工事をまとめていただいた。



物見台からは海と山が見渡せる。ちょっとビールでも飲みたくなってしまうような気持ちよさだ。


こういった物見台は以前にOMソーラー株式会社の社屋「地球のたまご」でやって経験済みであるが、出入口のハッチの設計が難しい。吉村山荘では斜めなっているが、雨仕舞いに不安が残るので今回は水平にしてみた。それから、ハッチ自体が結構重くなってしまうということ、そのハッチの重さに対応できるダンパー選びと、ダンパーの固定方法にはまだ検討の余地を残しているが、機会があればまた挑戦してみたいと思っている。

葉山の家


1階玄関。床は赤松縁甲板15mm、壁は石膏ボード12.5mm寒冷沙パテAEP塗り、天井はラワンベニヤ5.5mm目透し貼。右写真小窓の下はペットドア。猫が車庫から出入りできる。




1階に寝室。寝室から半階下ると書斎とクローゼット。


階段は段板に杉Jパネルを使っている。手摺りはピーラー無垢材。



2階の子供部屋へ。中2階の居間から半階分上がっている。


子供は2人で将来仕切れるよう窓や照明の配置を予め考慮している。


障子を開けると居間・食堂を見渡すことができる。
子供部屋はなるべく閉鎖的にならないよう、なんとなく気配が伝わるよう配慮している。


同じく2階に洗面所と浴室がある。洗面台のカウンターは大理石クレママーフィル。壁・天井はサワラ縁甲板15mm撥水剤塗り。浴室の床と腰壁はポリコンモザイクタイル。浴槽は人工大理石製。

葉山の家


台所から居間・食堂を見る。天井高は低いところで2.1m、高いところで3.04mである。


造付け家具でソファとPC机を製作した。中央の白い筒は空気集熱式床暖房「ソーラーれん」の立下りダクトである。屋根で集めた暖気がここを通って1階床下の基礎に行っているが、2階リビングの場合直接吹き出しができるよう切り替えダンパーボックス設置している。


右側の扇形の穴のところにレバーがあり、手動で1階床下に行くか、2階に直接吹き出すか操作する。中間で止めて1階と2階に半分ずつ吹き出すこともできる。


ソファの下は引き出し収納になっている。


PC机上部の障子は子供室につながっている。片引きだが吊り戸にしているので敷居がなくなりすっきりする。


食堂の窓台は猫にとっては縁側のような居心地のよい場所になっているようだ。


コーナーの掃き出し窓あたりもお気に入りのようである。

 

台所は天井高2.1mと低く抑えている。左は掃除機などの収納、右は冷蔵庫置場。


いつもどおりの造作キッチン。シンク台はステンレスヘアライン1.2mm厚の一体成型。レンジフードは実は昔ながらの壁付け換気扇(25cmφ)が付いていて、フードだけ造作で製作している。シナランバコアにケイカル板を張った上にステンレス板1.0mm厚を張っている。
背面は配膳台と奥は食器棚。
掃き出し窓を設けベランダに直接出ることができるので、ちょっとゴミを外に置いておくなどサービスヤード的に使える。


2011/06/23

葉山の家


玄関から半階上がると居間・食堂・台所のフロアである。
クライアントの希望で造付ソファをデザインした。ソファの後ろに大きな壁を作ることで護られているような落ち着きを作っている。


居間・食堂部分は屋根の勾配なりに斜め天井としている。奥の台所部分のみ天井高を2.1mと押えているが、上部は子供室から使える小屋裏収納にしている。


南西の雑木林に向かって、隅に2面の掃き出し窓を設けた。対角線に視界が開けているので、より広く感じる。建具はガラス戸、網戸、障子を片引きで引き込める。


障子を閉めると空気が一変して、柔らかい光に包まれる。


掃き出し窓はベランダにつながっている。敷地形状に合わせて台形になっている。
木製フレームには簾などを簡単に取り付けることができる。
窓の上部にはポリカーボネート製の霧除けを設けた。

2011/06/22

葉山の家


葉山の家は歩いて5分ほどで海に遊びにいける場所に位置する、4人家族のための住まいである。
2方道路に面する角地で、1階にカヤックと遊び道具の収納を兼ねた車庫を設け、居間・食堂は2階に持っていき、西の雑木林に向かって開いている。
屋根は空気集熱式床暖房「ソーラーれん」のための集熱屋根となっている。外壁はジョリパット校倉、建具はすべて作りものの木製建具である。


植栽はプランタゴ/田瀬さんによるデザインである。
南側にはヤマザクラ、コナラ、イヌシデを植え込んでいる。
電柱が当初は道路隅切部分にあって、2階の開口部の真ん前だったので少し移動してもらった。


クライアントが野菜づくりをしたいとの希望で、フトンカゴによる菜園を設けた。


2階からハシゴを登ると屋根の上に物見台があり、海と山を360度見渡すことができる。


アプローチは簡素にプレコン平板とした。左にはイボタノキ、タブノキ、右にはシンボルツリーになるような少し大きめのセンダンを植え込んでいる。
ポーチは傘をすぼめるときに雨掛りを避けるため少し凹ませている。


ベランダに上る階段脇の手摺りにツル性の植物を絡ませるためのメッシュパネルを設置した。



アプローチ脇のフトンカゴにはアゼターフを敷き、水鉢を設けている。アゼターフとは田瀬さんが考案した、田の畦にあるような多種類植生を"ターフ"(=芝)のように切り取ったマットである。