師匠の石田信男さんも永田昌民さんもそうしてきましたし、修業時代に担当したものから数えたら、おそらく60台ほどのキッチンをこれまでにデザインしてきました。
今回は私の事務所の標準的な造作キッチンを紹介します。
写真の富水の家リノベーションでは、私の事務所で標準としているセミオープンの形式を採用しています。このように、新築でなくても戸建て住宅やマンションのリノベーションでも可能です。
デザインは、N設計室の永田さんと共同設計したときのものをベースに、私なりに少しずつ手を入れて、より使いやすく、よりシンプルに、少しでもローコストにと進化させてきました。
カウンタートップはステンレスヘアラインをシンク一体成型、コンロ周りの壁はキッチンパネル、レンジフードは富士工業の既製品に造作のカバーをしています。
扉や抽斗の前板はシナフラッシュ製で、半ツヤの白いオイルペイント塗りで、お手入れは楽です。扉や抽斗の取っ手は、一時期は木製でデザインしていましたが、ステンレスの丸棒取っ手が一番使いやすいという結論にいたり、復活したものです。
シンク前の手元を隠す立ち上がり部分は、以前はタイル貼りでしたが、最近は調味料置場にしています。この部分はポリ合板で作っているので、しょう油などのビンのあとなどもさっと拭けるようになっています。
シンク下はオープンで配管あらわしにして、湿気が篭もらないようにするのと同時にゴミ箱置場になっています。メーカーのシステムキッチンはシンク下がオープンに出来るものがないのでゴミ箱置場に困りますね。
写真右奥はパントリー。面積的に余裕があればキッチンに隣接してパントリーを設けます。たまにしか使わない食器や電化製品、冷蔵庫に入れるほどではない食品などさまざまなものが収納できて便利ですが、こちらの家のようにウォーターサーバー置場として使っていらっしゃるケースは初めて見ました。
コスト的には、シンク台は、ガスコンロ、シングルレバー水栓、レンジフード込みでおよそ70万円程度(工務店によって金額にばらつきがありますが...)です。メーカーのシステムキッチンの中級クラスと同程度の金額で実現可能なのです。
富水の家リノベーション
設計 徳田英和設計事務所
施工 デライトフル
写真 安川千秋
徳田英和
hidekazu.tokuda@gmail.com
徳田英和設計事務所
171-0031東京都豊島区目白3-8-6吉村ギャラリー2F
TEL 03-3954-6161
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