うちの娘は今度の4月から晴れて小学生になる。もちろん近所の公立小学校に入学する予定であるが、西武線で2駅という一応通学圏内に立地しているこの学校で、昨秋学校説明会があるというので建物見学が目的で参加してみた。遠藤新が設計した自由学園初等部である。
昭和5年完成のこの建築は東京都歴史的建造物に指定されている。都内には木造の小学校が3つあるが、他の2つは平成になってからのもので、都内で唯一の古い木造校舎の小学校なのである。
校内に一歩入ると松の木と瓦屋根が学校というよりはお寺の境内を思わせる。
学校の一番中心にあるのが食堂である。一つのテーブルで1年生から6年生までが一人づつの6人で食事を取る。食事は父兄が当番制で学校まで来て作っているとのこと。
一番最初に作られた第1校舎は1年生と2年生の教室である。ライトっぽい意匠は皆無で、シンプルな切妻の瓦屋根、真壁構造に左官壁、木製建具にスノコの濡れ縁があって居心地よさそうである。
現在は1学年定員40名の1クラスのみという構成だが、この学校の卒業生である奥村まことさんの話によると昔は26名だったようだ。「26名用に教室が設計してあるので今は窮屈な感じで使っている」というが、普通の公立の学校に比べてとてもゆったりしているように僕には見える。
濡れ縁もあるし、なんて贅沢な学校なんだろう。
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