2012/02/15

鉄骨造の工場を伝統木構造で耐震補強

先日、茨城県のとある工場にて耐震補強の工事の様子を見学してきました。
鉄骨造の建物の耐震補強というと一般的には鉄骨を使って行われると思いますが、工場の稼動を止めないで休日に行われる工事なので、火花が散らず養生費が安くすむということで木造で耐震補強が行われました。

この工場は鉄骨造3階建て、昨年の震災で2階と3階の床のあちこちでクラックが入るという被害が出ました。床の構造はQLデッキという合成スラブ構造。地震で梁とデッキスラブの定着が効かなくなり水平剛性が不足しています。そこで杉の4寸角を使ったフレームをスラブ下に組み込んで水平剛性を高めています。


このフレームは自重で下って落ちてこないかというのを誰もが心配するのですが、日本の伝統的な仕口を使って、下れば下がるほどブレースが突っ張っるような仕組みになっています。


左から施工担当の白根工務店・白根さん、構造担当の増田一眞さん、 設計担当の石田さん。
白根さんが持っているのは束で、斜めにカットしてあるので、木が痩せたり暴れたり、また地震で揺れたりなど、フレームが下るほど鉄骨に圧縮力が掛かって水平剛性が上がるように工夫しているとのことです。
NPO伝統木構造の会のメンバーであり、日本古来の木構造の仕口を得意にされている白根さんならではの素晴らしい仕事でした。

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