毎日通勤で椎名町駅から目白の事務所まで歩いている。
その道中にとても好きな建築がある。
まわりの家に比べて少しだけ階高も軒も低く抑えられた白い箱型の住宅である。
朝通るといつも窓を開けて換気していて、2階の斜めの白い天井が見えて、気持ちよさそうなワンルームの大きなリビング空間であることを想像させる。
最初見たとき、2階リビングの家なんて珍しいなと思った。自分では何軒も設計しているが、町を歩いていて2階リビングの家を見つけることは多くはない。
夜通ると屋根の大きなトップライトから室内の灯りがもれて、あたたかそうな家庭の団欒を感じさせる。
見た感じ、築30年は経過していて、多分ローコストで作られていると思うが、とてもモダンで古さを感じられないどころか、住まい手によくメンテナンスされて大事に住まわれている本当にいい家だなと思った。
北東方向から見る。
2階の角を凹ませて、入り隅を窓と1階のトップライトにしている。敷地に余裕がなく庇が出せない状況で、多少雨が降っても通風できるようにしているあたり、うまいなと思った。
南東方向から見る。
2階には引き込みの木製大開口部があり、一部小窓には懐かしいスチール製建具も使われている。 後で増築されたっぽい鉄骨のテラスでは緑のカーテンなどガーデニングを楽しまれているようで緑が豊かである。
この住宅は宮脇壇建築研究室の設計で、1979年竣工。
小住宅傑作選(世界文化社)に詳しく紹介されています。
なんか、そうっぽい感じだなぁ~と思って見ていたら、最後に種あかしだったんですね!
返信削除ちょうど今、昔、買いあさったの本を読みなおしていました。設計もいいですけど、言いたい放題の本も面白いですね。
onoさん、この写真には写っていませんが、玄関扉が鮮やかな赤だったので、僕はそれでピンときました。
返信削除「宮脇壇の住宅設計ノウハウ」に載っている全プランをチェックしたらBingo。やっぱりね。
その後まもなく「小住宅傑作選」が出て、やっぱりいい家だったんだなと再確認しました。