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2018/06/01

大屋根

少し前の話ですが、「大屋根の家がいいです」というクライアントからのご要望が続けてありました。「大屋根」と聞いて、切妻屋根の片方が長い「ヘ」の字の屋根形状のことかな?というのはなんとなくわかりましたが、実は自分では「大屋根」という言葉を使ったことがなかったので、なんとなく話を合わせて「大屋根ですね!わかりました!」みたいな感じでやり取りしていことがありました。笑。

私自身は「大屋根」ということをあまり意識して設計してきたわけではないのですが、空気集熱式ソーラーを採用することが多く、南側の屋根でたくさん集熱できるようにしたいというのが一番の理由で、結果的に「大屋根」の家を数多く手掛けてきました。

「大屋根」とすることで軒の高さを低くでき、平屋に近いプロポーションになること、リビングの天井を勾配天井にして2階と気配をつなげること、などなど「大屋根」の魅力はたくさんありますね。

以下は、これまでに手掛けた「大屋根の家」の写真です。








徳田英和
hidekazu.tokuda@gmail.com
徳田英和設計事務所
171-0031東京都豊島区目白3-8-6吉村ギャラリー2F
TEL 03-3954-6161

読んで楽しい家づくりの なるほどディテール。
(島田貴史・徳田英和共著 オーム社)発売中!!

2014/11/20

常陸太田の家 薪ストーブの話など

先週は、これまで手掛けた数軒の住宅に、現在設計中のクライアントを2日間に渡ってご案内し、見学していただきました。協力していただいた住まい手の皆さま、ありがとうございました。

そのクライアントは常陸太田の家を気に入ってくださって私に設計を依頼されたので、2日目は1日掛けて常陸太田の家を見学して(遠隔地ということもありますが)、住まい手のご夫妻と談笑しながらゆったりとした時間を過ごしました。

常陸太田の家(2008年)
設計:永田昌民+徳田英和
施工:新建工舎設計

雑誌「住宅建築」2009年8月号に掲載されています。
toku's LIFE GOES ON 常陸太田の家
OMソーラー・新建工舎の家づくり Nさんのいえ(2008)





庭木の紅葉がちょうど見ごろ、いい時期の訪問となりました。
建物も竣工して6年半が経過、いい感じに経年変化してきています。
外部の木部は竣工時はラワンの建具や破風はワトコオイル塗り、デッキや木塀の米杉は無塗装でしたので、キシラデコールの無色タイプを1度塗っています。




薪ストーブは、竣工当初は予算の関係でホンマ製作所の安価な時計型ストーブを付けていましたが、数年使用して本格的なものが欲しくなったということで、バーモントキャスティングス社のアスペンに変更。また、煙突も以前はシングルでしたが、断熱2重煙突に取り替えました。 ススの付着が軽減され、メンテナンスが容易なことと、燃焼効率が上がるとのことです。

使い方としては空気集熱式床暖房「ソーラーれん」 の補助暖房として、日常使いされています。アスペンは小型ですが30坪程度のこの家を暖めるには十分な出力があるそうです。実際に火を入れて暖まりながら、住まい手からこれまでの薪ストーブを使用した経験談を楽しく聞かせていただきました。
上面には鍋など置ける調理スペースがあり、おでんをやってみたところ、ガスコンロでつくるのよりも美味しくできたとか。

敷地は余裕があり薪置場には困らないのですが、やはり薪の手配が一番大変とのこと。
知り合いの知り合いなどを紹介してもらい、山へチェーンソーを持って木を切りに、ご夫妻で度々出かけるそうです。 でも、とても楽しんでやっていらっしゃいました。
逆に言えば、そういう苦労を楽しめる方には是非とも薪ストーブをおすすめします。


徳田英和
hidekazu.tokuda@gmail.com
徳田英和設計事務所
171-0031東京都豊島区目白3-8-6吉村ギャラリー2F
TEL 03-3954-6161 / FAX 03-3565-6079
http://tokuslifegoeson.blogspot.com/

2012/10/06

常陸太田の家

photo 岩為
photo 岩為
続いてロフトからの風景。ロフトといっても正確には2階で天井高も2.1mとしっかりあります。岩為さんの写真にはないですが、ピアノがある板の間4帖半と畳の間4帖が間仕切りなしでつながっています。設計時に建て主から、娘が帰ってきたときや来客用に畳の部屋が欲しいというのと、ピアノの部屋が欲しいという要望があり、限られた予算の中でどう納めるか大いに悩みました。
全て一人前の部屋を配置したら床面積が増大し、しっくい壁も木製建具も薪ストーブもあきらめなければいけないことは容易に予測できました。
そこで提案したのが居間・食堂・台所を通常よりもコンパクトにして、半階上がったところにピアノ部屋と畳部屋を建具を設けないでで配置。スキップのワンルームとすることにしました。
畳部屋は半階上がっているので視線がずれて来客時でも気兼ねなく過ごせるし、ピアノも広々と気持ちよく演奏できます。
そしてピアノもいつも弾いているわけではないし、来客もそう度々あるわけではないので、普段はここを第2のリビングとして使えるようにしよう。座卓を設けてパソコンコーナーにしよう、オーディオを置いて音楽を聴けるようにしよう。なんにでも使えるという意味をこめてロフトという部屋名にしました。このロフトがあるからこそ居間・食堂・台所をコンパクトにでき、床面積を約30坪に抑えることができました。

photo 岩為
さて、1階に下りて水回りのご紹介です。洗面所とトイレは1室空間として床面積をコンパクトに納めています。割とこれは別々にしてほしいとクライアントに拒否されることが多いですが、老後のことを考えたとき、広い方が介護などしやすいというメリットがあります。30坪以下の小さな家やローコストの家では提案させてもらっています。(どうしてもというわけではありません)

photo 岩為
洗面台は大理石クレママーフィルを使用。色はロットによって様々、白っぽい時もあればベージュっぽい時もあります。

photo 岩為
洗面所と浴室の間は腰から上を半透明のポリカーボネート板にして、壁厚を利用した小棚にしています。可動棚はフロートガラスにして、コップの跡や歯磨き粉などがついても掃除しやすくしてあります。浴室は腰壁と床はポリコンモザイクというリーズナブルでプレーンな昔からあるタイルです。2cm角なので床が濡れていても滑りにくいというメリットがあります。腰から上の壁と天井はサワラ縁甲板撥水剤塗り。サワラは水に強い性質を持っています。

photo 岩為
photo 岩為
階段を下りて半地下へ。半地下は書斎と寝室とクローゼット。この窓下あたりが1階の床高で、腰壁は基礎部分の断熱材の厚みが出てくるためラワンベニヤ5.5t目透貼としている。
住まい手からの話では、半地下は冬暖かく、夏涼しく過ごせているとのこと。書斎にはかなりのボリュームの本、クローゼットにも衣類が収納されているが、ソーラーれんのおかげで結露による問題も起きていないようである。

常陸太田の家

続いて、常陸太田の家の内部をご紹介します。玄関から階段6段上がった中2階に居間・食堂・台所があります。

photo 岩為
photo 岩為
最初に見えるのは薪ストーブ。新潟の本間製作所製のローコストのものです。炉台は大谷石30t敷き。腰壁はコンクリートブロック半割VP塗りです。

photo 岩為
床は杉縁甲板15t張り、壁はしっくい塗り、天井はラワンベニヤ5.5t目透貼りです。建具の障子、枠材、巾木、天井をラワンで合わせてあり、いずれもワトコオイルを塗ってありますが、なぜか天井だけがワトコオイルが染みて濃い色になってしまいました。ちなみにラワンはいずれも赤ラワンを指定しています。

photo 岩為
photo 岩為
食堂からデッキテラス方向を見る。角窓になっていますが、右側の窓はFIX(はめ殺し窓)になっています。
どちらも障子が壁に引き込まれています。 障子もラワンで作っています。正面の障子は2本引きですが、框・組子とも見付寸法を18mmで同じにして1枚の大きな障子に見えるようにしています。
そうすることで少し部屋が広く感じます。

photo 岩為
居間から台所・ロフト方向を見る。真ん中の細長いダクトはソーラーれんの立下りダクト。床付近に見えるガラリの奥に切替吹き出し口があり、手動ダンパーで中2階に直接吹き出すか、半地下の床下のコンクリートに蓄熱するかを操作できる。中間で止めて半々づつ吹き出すということも可能。

photo 岩為
食堂から台所方向を見る。キッチンのフードは造作工事で製作。今回は少しでも広く見せるため、いつもと違いコンロ前にタイルの壁を設けず切り離した。シナランバコア21tで箱を作り、内部はケイカル板5tを内張り、その上にステンレス板0.5tを貼っている。吸込み口のところはステンレス1.2tでジャマ板を作り、その外周の3cmのスキマから空気を吸っている。
こんなにフードは凝って作ったが、実は中についている換気扇は昔ながらの壁付換気扇25cmφなのである。

photo 岩為
ロフトへの階段。段板は杉板30t、蹴込板は杉板18tです。手摺り壁はラワンベニヤ30tパテシゴキOP、右にちょこっと見えている1階から中2階までの手摺りはピーラー36x75です。右上のガラリはエアコンが埋め込まれています。

2012/10/05

常陸太田の家

先日とある展示会に出展するために、これまで設計した家の写真をパネル化することになり、以前N設計室の永田さんと共同設計し、写真家の岩為(がんため)さんに撮影していただいた「常陸太田の家」と「葉山の家」の2件のポジをデジタル化しました。
岩為さんに連絡を取ったところ快く承諾していただいたので、 順番にブログに掲載していきたいと思います。無断転載、無断使用を固く禁止します。よろしくお願いいたします。

まずは常陸太田の家の外観から。これらの写真は「住宅建築」誌2009年8月号に掲載する時に撮影されたものです。本に使われていないカットもあります。

photo 岩為

常陸太田の家はご夫婦2人住まいの小さな家。施工は水戸の新建工舎設計
写真は東側外観。敷地の南側は隣家が迫って建っていて、東側は農業用水路が蛇行して流れているために開けているので、東向きの家となった。

photo 岩為

垣根も塀もなく畑が道路に連続しているこの家は、少し地面と距離を置くために、居間・食堂・台所のレベルを半階上げたスキップフロアの構成としている。

photo 岩為
photo 岩為
東の道から直に入らないで西側からまわりこむアプローチとした。玄関の下屋には土足のまま行き来できる土間を設け、農機具・園芸用具の格納、漬物や味噌の貯蔵などに使われている。

photo 岩為
photo 岩為
建具はすべて作りものの木製建具としている。アルミサッシュにはないあたたかさと手触りは数値に置き換えられない価値があります。ちなみにここでは枠・建具・戸袋板などラワンで統一しています。

photo 岩為

デッキテラスは束・梁は米松、床・手すり・フレームは米杉(レッドシダー)で作っている。開口部上のキリヨケは光を入れるためポリカーボネート板とした。
このフレームは物干金物を掛けて洗濯物を干したり、夏には日除けのターフを引っ掛けるのにも使われているが、いずれはブドウ棚にしてもおもしろいのではないかと思っている。
住まい手は野菜づくりが趣味で、撮影に伺ったときはスナップエンドウを栽培されていました。
以前、キュウリやホウレン草を送っていただいたとき、いわゆるスーパーで売っている野菜とあまりに味が違い、驚いたことを思い出した。

2011/04/01

常陸太田の家

常陸太田の家は、公務員だったNさんの退職後の終の棲家として建てられた家である。
敷地は街の中心に近いにもかかわらず、とてものんびりとした静かな場所である。

施工は水戸の新建工舎設計である。
厳しい予算の中で全開口部を木製建具、外壁の土壁掻落し、内壁の漆喰、薪ストーブ、ソーラーれん...などこちらの要望をほとんどあきらめることなくレベルの高い仕事をしていただいた。


西側は砂利敷きの駐車場と奥に薪小屋。
アプローチにはマロニエを植え、簡素にプレコン平板敷きとした。
玄関ポーチはたっぷりしていて、自転車が4台くらい置ける。


下の2つの小窓は、半地下の書斎と寝室のものである。
外階段で半階上がると中2階のデッキテラス~居間につながる。
いずれの窓も道行く人の視線とずれるようにしている。


Nさん夫妻が一番の楽しみにしている畑を東側に配置した。
敷地東側は道路をはさんで小川がカーブしていて視界が開けているので、各居室の開口部は東に向けて開いている。


デッキテラス下には雨水タンクを設置した。水道水は塩素が入っているので、畑に使う水としては雨水が適している。
竣工後、Nさんからこの畑で作られた野菜をたくさん送っていただいた。どれも美味しかったが、ほうれん草はスーパーで売っているものと全く味が違うことに驚き、自分も将来畑をやってみたくなってきた。

2011/03/15

常陸太田の家

茨城県の地震の被害はどうだったのだろうかと、常陸太田の家の住まい手のNさんに連絡を取ってみました。
常陸太田市は震度6弱でしたが、設計したお宅には大きな被害は無く、Nさんもお元気でホッとしました。食器や花瓶なども運よく助かったようでした。ただし、昨日まで停電でロウソクで暮らしていたのと、近所の瓦屋根の古い民家は被害があったとのことでした。
この家に関しては、近日中にこのブログで紹介したいと考えています。


常陸太田の家(2008年)
設計:N設計室+徳田英和設計事務所
施工:新建工舎設計
掲載紙:住宅建築2009年8月号

2010/12/26

常陸太田の家

2008年竣工
設計:N設計室+徳田英和設計事務所
100坪の敷地に建つ、30坪の家